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      | 日産 R35 GT-R プレミアムエディション2017年モデル/後期
 
  
 日
産GT-Rは2007年より発売されている日産を代表するスーパーカー。かつてはスカイラインGT-Rとして販売されていたものの、V35スカイラインと
共用する部分は無く、日産GT-Rとして販売されています。世界販売戦略車としての位置づけがあったことも容易に推測出来ます。
 
 
 
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      | 試乗車概要Nissan GT-R PREMIUM EDITION (R35)
 
 2007年に販売された当時は世界一価格の安いスーパーカーとして777万円から購入可能でした。
 
 年ごとに改良を重ねた結果、最高出力が480psから570psに向上された一方、最低価格1,000万円を超える高級車へと変貌を遂げてしまいました。
 
 
 かつては直列6気筒-2.6Lターボエンジンが搭載され、MTのみ設定があったスカイラインGT-Rも、V6-3.8Lになり、MTは設定されず、DCT
(2ペダルMT)のみになりました。
 
 
 
 正式グレードと概要Nissan GT-R PREMIUM EDITION (R35)MY2017
 
 
        
          
            | 排気量 
 | 3,800㏄ 
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            | 最高出力/トルク | 570ps/65.0kgm |  
            | 走行距離 | 約110km 
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            | 今回の平均燃費 
 | 7.9km/L (メーター読み)
 
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            | 車両本体価格 | 約1,170万
円ほ
ど |  
            | 試乗日の路面状態 | ウェット |  
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      | 今回試乗したGT-R プレミアムエディションは、ベースグレードであるピュア
エディションと比較をして装備内容が充実したグレードになっています。さらに43万円を追加すると専用のレカロのシートが装備されたブラックエディション
となります。 
 
 
 
 
 
 日産R35 GT-R
プレミアムエディション 外観まずはR35 GT-R
2017年モデルの外観を紹介します。2017年モデルはデビュー10年目にして大きなマイナーチェンジが施され、フロントグリルにも改良が施されまし
た。実質的な後期モデルのGT-Rと言えるでしょう。
 
 
 R35 GT-R フロントデザイン
 GT-Rフロント
 Vモーショングリルが採用されている点や、LEDヘッドライトが採用されています。
 
 フロントスポイラーは純正のもので、一般的なタイヤ止めは間違えなく擦ります。
 
 
 
 2007年より販売されているGT-Rは販売当初、近未来的デザインを感じさせられたものの、現在となっては古臭さこそ無いものの、中途半端でカッコ良い
とは言い難いです。販売より10年以上経過していることを考えると、先代40系LSのようなビッグマイナーチェンジを期待したいところです。
 
 
 
 
 
 GT-R
横から見るとカッコイイ王道クーペ
 GT-R横から
 少し角ばった感は否めないものの、王道のクーペです。そして、空力特性に優れた箇所が随所に存在しており、最近のスーパーカーであると感じさせられます。
 
 
 
 
  ドアノブは収納式
 
 収納されていることで空気抵抗を減らすことが可能で、燃費や安定性にメリットがあります。Challenge
drive.netでは以前レクサスLC500でもこのようなドアノブがあると紹介させていただきました。
 
 ただし、レクサスLCが電動式であるのに対し、こちらは手動式であるため、開け閉めが少々面倒でもあります。
 
 
 
 
 
 R35 GT-R リアデザイン
 リアデザイン
 
 GT-Rのエンブレムや丸目4灯はR35でも採用されています。リアから眺める分にはスカイラインを名乗っても良いのではないか?と思ったりもします。特
にインフィニティマークの付いた今のスカイラインを見ると・・・。
 
 
 
  4本出しチタン合金製マフラー
 
 標準装備品です・・・。
 だいたいこのようなマフラーを後付けで装着させている車は、爆音を響かせ近所迷惑であるのですが、GT-Rの場合は爆音と言うほどでもありません。
 
 ただし、アイドリング音はうるさく住宅街でエン
ジンを掛けっぱなしにすることは出来ません。おそらく世田谷あたりの上品ぶったマダムが住んでいる地域であれば通報されるでしょう。
 
 
 
 
 
 日産R35 GT-R
プレミアムエディション 内装 
 続いては、GT-Rのインテリアの紹介です。まず運転席周りで気になる点があるとすれば、パーキングブレーキがハンドブレーキになっている点でしょうか。
 
 近頃の車の多くは電気式になったものの、GT-Rは未だにハンドブレーキです。モータースポーツに相応しいGT-Rであることを考えると、サイドターンに
便利というメリットの名目のもと、コスト削減を図っているのでしょう。
 
 
 
 
 スポーツシート採用(パールスエード
コンビシート)
 GT-Rプレミアムエディションのシート
 
 オプションでセミアニリン本革シートが設定できるほか、ブラックエディションになるとレカロのスポーツシートが設定されます。
 
 本革シートも悪くありませんが、パールスエードコンビシートも座り心地は悪く無く、スポーツカーらしく、本革シート嫌いの筆者としては、これで充分である
と感じられます。
 
 
 
  1つのレバーで分かりづらいですがパワーシートです。
 このタイプの電動シート車は初めてですが、かなり使いやすいです。
 
 
 
 
 スピーカーにはボーズ(BOSE)サ
ウンドシステムが採用されている
 写真のBOSEは後席中央に設置されているもの
 
 GT-Rのプレミアムエディション以上のグレードに標準装備されているもので、11スピーカーとなっています。GT-Rはこれだけ騒がしい車でありなが
ら、上質な音質の音楽を聴くことが可能です。GT-Rの他に、フーガやスカイライン、フェアレディZでもオプションで装着可能です。
 
 
 
 
 狭すぎる後部座席
 GT-Rの後部座席は狭すぎてお話になりません。
 TOYOTA 86よりも大きなボディでありながら、後部座席は狭いです。
 
 なお、GT-R プレミアムエディションの後部座席のシート表皮は人工皮革となっているようです。
 
 
 
 
 トランクの大きさが微妙
 写真では広いように見えます
 
 しかし海外旅行用
のスーツケースを縦にして奥に収納することは出来ませんし、ゴルフバッグを積む際には1つが限界です。また、ボーズのスピーカーが邪魔しているせいか、ト
ランクスルーも装備されておらず、せっかく最強の4WDでありながらスキー板を積むことも出来ないのです。
 
 
 
 
 メーターはフルスケール!
 速度計は340km/hまであります!
 でも、日本仕様のGT-Rにはリミッターが装備されており、サーキット以外で180km/h以上出せない構造になっています。GPSでサーキットを感知す
ると300km/hの速度を出すことが可能です。
 
 メーターが細かいため、アナログ速度計は読みづらく、途中からはデジタル速度計(写真の外気温と書いてある箇所)で速度の確認を行った次第です。
 
 
 
 
 ミッションはDCT
 RやPに入れる際に少し扱いづらいです。
 ただし、パーキング(ロック)があるため、極寒地でも容易に停車させられます。
 
 MTモードで走行する場合にはパドルシフトを用いて走行するようになっています。(フロアシフトではシフトチェンジが出来ないようになっています。)
 
 
 
 
 日産では珍しく盗難防止アラームが装
備
 侵入センサーだったり牽引防止装置です。
 反応すると周りに聞こえるように(クラクション等)、警告音が発せられます。タワーパーキングに入庫する際には、上の写真のボタンを押してOFFにしない
とバッテリーあがりの原因にもなります。
 
 
 
 
 アルミペダル
 アルミペダルです。
 
 かつてスカイラインGT-Rが3ペダルMTであったことを考えると、車が大きく進化したのだと感じられます。
 
 
 
 
 
 
 日産R35 GT-R
カーナビは標準装備 
 近頃の高級輸入車と比較をすれば、それほど画面は大きくありませんが、GT-Rにはカーナビ(Nissan Connect Navigation
System)が装備されています。
 
 カーナビとしての本来の機能の他に、スーパーカーに相応しい装備も合わせて紹介します。
 
 
 
 
 温度計やブースト計
 ブースト計や温度計
 昔のスカイラインには3連メーターが装備されていたものもありました。
 
 
 
  こちらは別バージョン 速度計もあります。
 
 
 
 
 ストップウォッチも装備
 ストップウォッチもあります。
 
 
  ステアリングスイッチで操作可能。
 より正確に、より安全にタイムの計測が可能です。
 
 
 
 
 カーナビの機能としては日産純正ナビ
と同様
 カーナビとしては画面が少し小さいです。
 
 
 
  この辺の操作方法は以前に試乗したV37スカイラインとほぼ同じです。
 
 最新のものとしては、
 
  日産コネクトサービス
 オペレータとお話をしたり、携帯電話と機能を連携することが可能です。
 
 筆者のような年寄りには、もはや理解できない機能になりつつあります。
 
 
 
 
 
 
 
 
 日産R35 GT-R 後期モデル
走行性能
 
 2007年の発売当初から比較をすると大幅に出力が向上されたR35
GT-Rです。今回はあまり長距離の走行は出来ず、首都高を含む高速道路の走行が中心となっております。
 
 日常生活における実用性についても紹介することにします。
 
 
 
 
 
 エンジンはV6-3.8Lツインター
ボを搭載
 VR38DETTエンジン
 専用設計となっているため、ボンネットの中はギッシリです。
 
 
  手作りのエンジン 今回は大山さんが作ったエンジンのようです。
 日産の数少ない職人がハンドメイドでエンジンを組み立てています。高級車の証と言えるでしょう。
 
 そして、こちらのエンジンですが、メチャクチャ速いことは説明するまでもありませんが、日常生活においても それほど不便をすることはありません。
 
 
 
 
 高速道路の安定性
 GT-Rで高速道路を走りました。
 
 風の強い湾岸道も安心して「指一本」で走行することが可能です。そしてハンドリングがしっかり
しているにも関わらず、高速道路における乗り心地も悪くありません。長時間の運転の疲労感も少なさそうです。
 
 
 
 
 渋滞の走行は最悪
 先日ビッグ マイナーチェンジが施されましたが、アダプティブクルーズコントロールは装備されていません。
 
 GT-Rは軽めのクリープ現象が再現されていますが、ATと比較すればパワーがあるにも関わらず、ブレーキを離しただけで出せる速度は大したことは無く、
渋滞の走行にもなると最悪と言っても過言ではありません。
 
 3ペダルMTの次に渋滞にはまりたくない1台です。
 
 
 
 
 カーブの安定感は抜群だけど
 カーブの安定感は抜群ですが・・・。
 
 電動パワーステアリングの設定が悪いためか、高速域におけ
るコーナリング時においてもハンドルは軽いままの状態です。
 
 普通の車で曲がることも出来ないカーブもGT-Rは気持ち良く曲がってくれるものの、あまりに軽いハンドルであるがため、曲がる際に安心感は一切ありません。
そのため、どれだけ素晴らしいコーナリング性能を持っているクルマでもカーブを曲がる楽しさは半減してしまいます。
 
 
 また、カーブを曲がる際にドイツ車のような軽快さはありません。すごく「どっしり」しています。少し鈍い感じもあるため、あまり好きにはなれません。
 
 
 
 
 
 
 走行モードの切替
 「R」はRacingを表します。
 
 GT-Rはすべてをレーシングモードにしてもハンドルの軽さが解消されることはありません。素人考えで申し上げるなら、レーシングモードとノーマルモード
の違いがよく分かりませんでした。
 
 
 ただし、
 
 ローンチコントロールを用いる場合にはこの限りではありません。
 
 上記の写真の通り、すべてをRモードに設定した上で、左足ブレーキ+右足アクセル全開を行えば、猛烈な加速が行われ、100km/hまでの到達時間は3秒
とも言われています。GT-Rのローンチコントロールは未知なる世界へ招待されているようなものです。
 
 なお、あまりの猛烈な加速感はムチ打ちになる可能性を秘めており、十分に注意が必要であるとともに、同乗者が居眠りしている際にイタズラするのは厳禁で
す。
 
 
 
 
 
 R35 GT-R 走行性能 総評R35
GT-R加速性能はスーパーカー並みでありながら1,000万円で購入できる魅力的な1台です。もちろん、2007年のデビューの時の車両本体価格と比較
をすると圧倒的に高くなっていますが、1,000万円でもコストパフォーマンスは抜群と言える1台です。
 あとは、パワーステアリングの制御を変更するなどし、高速時やコーナリング時でも軽すぎ無い、安定感のあるステアリング制御を望みたいです。
 
 
 
 
 
 
 
 R35 GT-R 気になる点本当にどうでも良い気になる点を紹介します。
 
 
 ミラーの操作スイッチが大昔のま
ま・・・
 ウィングロードにと同じものです。
 
 すごくどうでも良いことではありますが、見た目がボロくてダサくて、ケチるのはイイですがも負う少し先進的なものにしてほしいものです。
 
 
 
 
 
 
 R35 GT-R 総評 
 素晴らしい車ではある一方、どれだけ出力が向上しても走行性能的には日産らしい味付け(筆者が知っている日産車はゴーン氏が経営している日産車のみです
が)をどこかで感じられる印象があります。
 
 世界を見れば、もっと走行性能が上の車がある一方、これだけの性能でありながら、車両本体価格も決して悪くはありません。話は逸れますが、そんなGT-R
でありながら、しっかり利益を出せるゴーンさんは、やはり経営者として一流であると言えるでしょう。
 
 もっとも、利益率は低く、ほぼ同じスペックを持ったポルシェであれば2,000万円を超えます。(911 カレラ
ターボ)本来、スーパーカーで利益を出すということは、それだけの金額が必要です。
 
 1000万円は気軽に購入できる金額ではありませんが、この性能を持ったGT-Rは気軽にスーパーカーを購入できるチャンスを日産が与えてくれた究極の1
台それがGT-Rです。
 
 
 
 
 なお、これだけ持ち上げましたが、手元に2000万円以上あるなら筆者は間違えなく911カレラを選択します。ハンドリングの楽しさ(この場合は性能を指
していません)はポルシェの方が圧倒的に高いです。
 
 
 
 
 
 
 
 関連項目(その他の試乗記):
 
  日産 ジューク NISMO 
  日産 V37スカイライン 200GT-t(次世代ターボ) 
  日産 V36 スカイライン250GT FOUR 
  スバル WRX S4 2.0GTアイサイト 
  BMW M4クーペ(F82/DCT) 
  トヨタ 86 GTリミテッド 
  マセラティ ギブリS Q4 
  レクサス LC500 Lパッケージ(V8-5.0L) 
  メルセデスAMG E43 4MATIC 
 
 
 
 
     
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