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トヨタ クラウン アスリートS ハイブリッド

TOYOTA CROWN HYBRID ATHLETE S

トヨタの高級車クラウンが2012年のモデルチェンジで大きな変貌を遂げました。1番大きな特徴はスピンドグリルを採用したことで、今までのモデルと大き くかけ離れたデザインになりました。2003年登場の通称ゼロクラウンと同じくらいのインパクトがあります。

ゼロクラウン アスリート
ゼロクラウン2003年モデル


また、もう一方で近年のクラウンは6気筒エンジンが採用されていましたが、大幅な燃費向上を求めて直列4気筒2500㏄エンジン+モーターのハイブリッド システムも登場しました。また、後期モデルのアスリートにはレクサスNX200tで採用されている2.0Lダウンサイジングターボも採用。


今回は前期モデルのクラウン ハイブリッド アスリートSというグレードに試乗。ハイブリッドのアスリートには3種類あり、
・アスリート(廉価版:手動シート/ウレタンステアリング/ナビなし等)
・アスリートS(標準仕様:電動シート/革ステアリング/カーナビ/シートヒータ他)
・アスリートG(最上級仕様:アスリートSの装備+本革シート/後部座席サンシェード他)

となっており、今回はアスリートSの試乗になりました。





試乗車概要

正式グレード
TOYOTA CROWN Hybrid ATHLETE S

排気量
2.5L+モー ター
最高出力/トルク
-/-
走行距離
約170km
(沖縄本島)
今回の平均燃費
13.5km/L
車両本体価格
約 ¥5,000,000
試乗日の路面状態
ドライ



21系クラウンアスリート  エクステリア

インパクトの強いフロントマスクはスピンドグリル

トヨタクラウンアスリートS
冒頭で述べた通り、クラウンにはトヨタの高級車デザインの新基準となる「スピンドグリル」が採用されました。当初レクサスGSが販売された当初は違和感を 感じましたが、ハイエースにまでスピンドグリルっぽいデザインが採用されたことで見慣れました。
1995年に当時新型Eクラスのフロントライト丸いライトのデザインになったようなイメージでしょうか

とはいえ、レンタカーのカウンターの人も「いかつい」と言うくらいなので・・・。


クラウンアスリート らしさは継続

TOYOTA CROWN ATHLETE-S HYBRID
アスリートらしく、テールランプはLEDの丸目4灯が採用されていますが、いまだにウインカーにはLEDが採用されておらず高級車としては残念な点です。


新型クラウンアスリート
塗装色はホワイトパールクリスタルシャインと呼ばれる有償色で、沖縄のギラギラ光る太陽と青い海にマッチしています。

なお、3.5L以外のアスリートには17インチのアルミホイールが標準で装備されており、オプションで18インチを選択することが可能です。



クラウン ATHLETE S インテリア

運転を楽しむためのクラウンの内装はどのようになっているか紹介。

スピードメーター

アスリートSはファブリックシートが 装備

色は当時黒と赤みがかったテラロッサという色が選択できたみたいです。また、オプションで革シートを選択することが可能です。当然、電動シートなどは装備 されています。

しかし、座り心地はホールド感はあまり無く、スポーティシートであるとは言えません。乗り心地も重視しているから仕方がないと思います。

快適な後部座席

クラウンの後部座席
クラウンという名前である以上、後部座席の快適性はアスリート仕様でも重要です。

今回の210型クラウンアスリートも後部座席の広さは悪くは無く、座り心地もロイヤルサルーンよるは硬めのシートで後部座席のシートは良い印象を受けまし た。


ウッドコンビ ステアリングは廃止

本革ステアリング(ヒーター付き)
以前よりアスリートには特別仕様以外で設定されていなかったと思いますが、21系クラウンよりウッドコンビ ステアリングはマジェスタ以外では廃止になりました。

ですが、ステアリングヒーターは装備されています。



車のコントロールはトヨタマルチ オペレーション タッチで行う

トヨタ マルチ オペレーション タッチで何が出来るかと申すと、
・エアコンの操作
・ステアリングヒーターのON/OFF※
・後席の調整※
・走行モードの切り替え(EVモード※/SPORT/NORMAL/ECO)
※グレードにより装備の有無が異なる

となっており、一つのモニタに集約されています。そのため、運転席周りのボタン類の数が減ってかなりスッキリしました。


が、これだけの項目を一つのモニタで行う必要があるため、運転しながら走行モードを切り替えようとした場合、どこに何があるか分からず完全に前方不注意になってしまいます


また、クラウンの販売ターゲットの若返りを図っているようですが、お年寄りの方にはベストセラーの車でもあり、お年寄りが乗るには あまり優しさを感じられません。




クラウン アスリートS 走行性能

クラウン アスリートSですが、「S」がついているからと言って特別なスポーティな装備があるというわけでは無く、装着ホイル・エンジン以外では走行性能は変わらな いようです。(3.5Lモデルだけ少し良いようです。)

アスリートとは名ばかり?

アスリートS
通称ゼロクラウンのアスリートより、クラウンをまともに運転するようになりましたが、当時のアスリートは足回りがカッチリしており、コーナリング性能は優 れていました。性能の良いタイヤを装着している車両だと、峠道も「楽しく」走行が出来ます。

しかし、モデルチェンジのたびにアスリートらしさが物足りなくなりまして・・・、


現行の210型のアスリートに至っては、ロイヤルサルーンとの違いは何?デザイン?という世界です・・・。正直、沖縄には山道もありますが、走っても楽し むことは出来ません。裏を返せば乗り心地は良いため、お年寄りの受けは悪くないでしょう。

ちなみに、後日18インチにポテンザS001(良いスポーツタイヤ)を装着したアスリートSで走ってみましたが、やはりハンドリングの魅力は感じられませ んでした。



直列4気筒 2.5Lエンジン+モーターのハイブリッドの実力

ここ10年以上クラウンと言えば速いモデルばかりだったので、速さの面で見れば「時代の流れ」を感じされられます。3.0Lのクラウンと同じ性能と謳って はいますが、納得はしていません。


とはいえ、街中走行だけならモーターのアシスト力は強く、力強い加速を感じられますし、高速道路も日本の高速道路ならば何ら問題ありません。
はたして、アメリカあたりで同じ動力性能を持ったGS300hやIS300hが受けられるかは疑問に思ったりも しますが・・・。


なんといっても燃費性能は優れており、55km/hくらいで走行ならずっとEV走行が可能なので、沖縄の郊外であれば平均燃費18.0km/L以上を達成 することも可能です(燃費計)。そのため、1.0Lのヴィッツで沖縄一周したときの燃費 と大差がありませんでした。



その他 気になった点

あまり広くないトランク

クラウンハイブリッドのトランク

ハイブリッドセダンを選択すると、バッテリーやモーターを搭載する必要があるため、どうしてもトランクが狭くなります。そのため、休日に会社の経費でゴル フに行く人たちは環境に優しいレクサスLS600h(L)を選択せず、LS460(L)を選択します。ゴルフバッグが入らないためです。


今回のクラウンハイブリッドで感じた点は、思ったよりもトランクルームが広い点にあります。海外旅行向けのスーツケース4つでの移動でしたが、何とかトラ ンク内に収まりました。




広角ミラーは右側のみ採用

左側の広角ミラーは廃止

メルセデス・ベンツやBMWのほぼ全車種で採用されている広角ミラーは以前のクラウンは左右のミラーに装備されていました。広角ミラーがあることで車線変 更の際に死角に隠れている車両やバイクを容易に発見しやすくなることから安全性が高まります。


おそらく予算を抑えることが目的ではあったのでしょうが、Gグレード・マジェスタであればブラインドスポット モニタ(BSM)が装備されており、広角ミラーの必要性が少ないのかもしれません。



TOYOTA CROWN HYBRID ATHLETE-S 総評

沖縄で撮影

良くも悪くも日本人好みの車だと思います。ただ、クラウンを「つまらない」という人はいてもクラウンなんか「乗らない」という人はあまりいないかもしれま せん。

今回試乗したクラウン アスリートも所々に不満はあるものの、完ぺきな70点の出来である(つまり万人受けする)ため、あまり悪く言う点が無いのも事実です。


デザインに関しては、お気に召さない方も多くいるはずですが、考えたによっては これが車の未来であるとも考えられ、現時点ではまだ批判をするべきではないと私は考えています。


あとは、2.0Lターボがどうだか乗ってみたいです。
少なくとも試乗記を作成した時点では、V6のダウンサイジングターボ(2.5Lくらい)を作ってほしいと個人的には考えております。





関連項目:
クラウン ハイブリッドロイヤルサルーン(後期)トヨタ クラウン ハイブリッド ロイヤルサルーン(2.5/後期)
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