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アウディ A7 55TFSI クワトロ Sライン

ファースト エディション

アウディA7スポーツバック 55TFSI クワトロ

アウディA7(スポーツバック)は、アウディの中でもハイグレードに位置する4ドアクーペと呼ばれるジャンルで、A6やA8もしくはポルシェ パナメーラと兄弟車になります。ライバルは、メルセデスベンツCLSクラスやBMW8シリーズ グランクーペです。


試乗車概要

Audi A7Sportback 55TFSI Quattro S-Line
1st Edition

現行のA7は2代目になり、2018年9月より日本国内でも販売が開始されました。

また、A7に採用されているプラットフォームMLB Evoは、パナメーラも同様のものを採用しており、車両本体価格を考えるとコストパフォーマンスに優れているかもしれません。



正式グレード

Audi A7Sportback 55TFSI Quattro S-Line
1st Edition

排気量
3,000㏄
マイルドハイブリッド
最高出力/トルク 340ps/51.0kgm
走行距離 約900km
(高速・峠・街中)
今回の平均燃費
9.6km/L
車両本体価格 1161万円ほ ど
試乗日の路面状態 ドライ


日本仕様のA7ス ポーツバックのパワートレインは、55TFSIクワトロ(旧 3.0TFSI)の1種類のみの選択となっております。また、現行の55TFSIはV6-3.0Lターボエンジンに48V電源システム(マイルドハイブ リッド)が搭載されたことで、よりパワフルになったと言えます。

また、今回はSライン ファースト エディションと言うことで、通常のSラインと比較をすると、より豪華な装備になっているのが特徴です。








アウディA7スポーツバック 55TFSI クワトロ 外観

アウディA7スポーツバック 55TFSI クワトロ

まずは、アウディA7 スポーツバックのエクステリアの紹介です。


アウディA7 フロントデザイン

アウディA7スポーツバック 55TFSI クワトロ フロント
アウディA7スポーツバック 55TFSIクワトロ ファーストエディション フロント

アウディらしいフロントグリルを備えています。正面から見ても車高が低いことが分かるため、なかなかカッコイイ1台です。



アウディ A7スポーツバック 横から

アウディA7スポーツバック 55TFSI クワトロ サイド
アウディA7スポーツバック サイド

シトロエンC6を思わせるデザインですが、シトロエンはラグジュアリー志向で天井が高いのに対し、アウディA7はあくまでも4ドアクーペであるため、車高 が低いです。こんな車が売れたためか、新型LSもフラッグシップセダンの位置づけでありながら、クーペルックになっています。

パナメーラやCLSクラスもそうですが、横からのデザインには賛否両論があり、筆者個人の見解とすれば あまり好きにはなれません。




アウディ A7スポーツバック リア

アウディA7スポーツバック 55TFSI クワトロ リア
アウディA7 リア

最近のアウディやポルシェのトレンドで、テールランプが繋がっています。何だか繋がり眉毛を彷彿させるリアデザインは好きになれません。


なお、アウディA7 Sラインの前後のウインカーは流れるウインカーが装備されています。





アウディA7スポーツバック 55TFSI クワトロ 内装

アウディA7スポーツバック 55TFSI Sライン ファーストエディション 内装

続いては、アウディA7 スポーツバックのインテリアの紹介です。基本的にはA4やQ5などの他のアウディと統一されています(特に近未来的なインテリアという観点では)が、A8 同様に大きく変化した点もあるようです。

また、今回試乗したファーストエディションにはパワードア クロージングが装備されており、半ドアにすれば、自動的にドアが閉まるようになっております。



アウディA7 55TFSIクワトロ Sライン専用 インテリア

アウディA7スポーツバック 55TFSI Sライン 本革シート
Sライン専用の本革シートが装備されています。

Sラインでも硬すぎるシートで無く、一方でホールド性に優れており、長距離の移動も快適に過ごせるシートです。

上記はラグジュアリークーペのアウディA7では当たり前のことですが、最大の特徴はシートが大きい点にあります。大柄の人でも余裕のあるシートのつくり で、包まれる安心感があります。ただし、パナメーラのベースのシートの座り心地の方がレベルが高いです。
(ポルシェのシートは なぜかレベルが高いです。)


アウディA7スポーツバック 55TFSI Sライン アルミペダル
アルミペダルが装備されています。



総評

アウディA7 アンビエントライト
外が明るいためアンビエントライトの魅力が分かりづらいです。
ちなみに30種類から色を選択することが可能です。




アウディA7 55TFSIクワトロ Sライン リアシート

アウディA7スポーツバック 55TFSI Sライン リアシート
アウディA7 リアシート

アウディA7ではクーペです。と考えれば比較的広いかと思いますが、特筆すべき点として、運転席のシートも助手席のシートも、かなり後ろにしている点にあります。

また、クーペであるが故に天井が低く、圧迫感がありそうなイメージがありますが、ここは上手に設計されていると言え、後部座席も快適に座ることが可能でした。そして、助手席のシート位置が後ろであっても、思った以上に広い空間です。




アウディA7 55TFSIクワトロ 実は5ドア車

アウディA7スポーツバック 55TFSI リアハッチ
電動リアハッチが装備されています。

思った以上に面積が広く、たとえコストコで大量買いを行ったとしても、余裕で入り切ります。ただし、「高さ」が少ないため、スーツケース等は弱点になります。


そして、先ほどよりアウディA7は4ドアクーペと表現していますが、実際にはハッチバックになっているため、5ドア車になるのです。

そのようなこともあるため、筆者はA7のデザインが好きになれません。実用上はすごく便利ですが、クーペに実用性を求めることには疑問を感じますし、実用とデザインを考慮すると、限界なのかとも感じてしまう次第です。




バーチャルコックピットは変わらず

アウディA7スポーツバック バーチャルコックピット
メーターはすべて液晶です。
ただし、この辺りの装備は他のアウディと大きく変化はありあせん。




タッチパネルになった純正ナビ(Audi MMI)

アウディA7 純正ナビ MMI
アウディの純正ナビMMI

ドイツ車(およびレクサス車)のナビは、専用のコートローラを使ってカーナビを操作する必要があったため扱いづらいという意見が数多くありました。アウディの純正ナビ(MMI)も従来は扱いづらいコントローラが用意されていました。

しかし、主なVW車(フォルクスワーゲンやポルシェ等)は従来よりタッチパネルが採用されており、今回のアウディMMIは それに合わせる形になったかもしれません。触ると分かりますが、タッチをするごとに振動で教えてくれる点は親切です。


もっとも、ヤンキーポジションを好む筆者(サーキットを走る資格が無い・・・)としては、タッチパネルになるとナビを操作するたびに体を起こす必要があるため、少々面倒だったりします。



エアコンの操作もモニタ上で行う

アウディA7 純正ナビ MMI
ほぼエアコン操作用のモニタ

クラウンにも似たようなものがありますが、アウディの場合、必要なボタン(例えば、シートヒーターやステアリングヒーター等)が表に出ているため、思った以上に操作しやすいです。

ちなみに、手書き文字入力も下のモニタで行うようですが、こちらは試しませんでしたので詳しく分かりません。





アウディA7 55TFSI クワトロ Sライン 走行性能

アウディA7スポーツバック 55TFSI Sライン 走行性能

続きましては、アウディA7 スポーツバック 55TFSIクワトロ Sラインの走行性能の紹介です。果たしてA7はスポーツ走行向きなのでしょうか?それともラグジュアリー志向なのでしょうか?



アウディA7 55TFSIクワトロ 高速性能

A7高速性能 マトリクスLED
アウディA7で高速道路を走行

クワトロ(アウディの4WDシステム)が搭載されているためか分かりませんが、高速道路走行時における安定性が あまりに絶妙で、今まで乗った他のドイツ車と比較をしても特に優れていると言っても過言では無い1台です。

また申し上げるまでもありませんが、V6-3.0Lツインターボエンジンの加速性能は凄まじいものがあり、深く申し上げることは いたしませんが、高速道路において通行帯違反者がいてもストレスが溜まることは一切ありません。


ちなみに、今回試乗したA7 Sラインには、マトリクスLEDヘッドライトが装備されているため、ハイビームアシストが装備されています。前方車両と対向車がいない所だけをハイビームで照らしてくれることから、視認性が大きく高まります。

本当であればレーザーライトがどのような ものかを試してみたかったのですが・・・。





アウディA7 55TFSIクワトロ Sライン 山道走行性能

アウディA7スポーツバック 55TFSI Sライン 走行性能
山道も走りました。

今回はA7のSラインということで山道の走りにも期待しましたが、残念ながら山道走行における魅力は「安定してカーブを曲がれるだけ」と言ったところです。決して悪くはありませんが、アウディA7は あくまでもラグジュアリーなグランドツーリングカーと言ったところです。

とは言いつつも、本気を出しても面白くないだけで、ダンピング コントロール サスペンション※が装備されていることもあり、安定感を持って山道を走れるアウディA7は、北海道などの広大な地の山道を走行するのに最適すぎる車でした。
※ファーストエディションに特別装備。それ以外はオプション。



山道走行性能における問題は車線逸脱防止装置

アウディA7 純正ナビ MMI
MMIモニタの下側で操作可能

車線を検知した場合に限りますが、筆者の場合は対向車がいない場合に限り、(感覚的に)センターラインを踏みながらカーブを通過する傾向にあります。

しかしながら、アウディの車線逸脱防止装置であるアクティブレーンアシストが峠道でも介入してくることがあり、かなりの力強さで軌道修正を図られます。その結果、カーブでバランスを崩すため、妙なライン取りとなります。(同乗者がいれば乗り心地も悪くなるでしょう。)

この機能の影響からか、自分で運転していながら車酔いをしてしまったほどです。



街中では車幅が広いこと以外は運転しやすい

近頃の車は大きくなった。5ナンバーサイズがちょうど良い。とか言う意見は筆者は大嫌いです。なぜなら、クラウンを運転しても、レクサスLSを運転しても、メルセデスベンツSクラス左ハンドルを運転しても、慣れさえすれば幅が広くて運転しづらいとは一切感じないからです。

にもかかわらず、今回アウディA7を試乗した際には幅の広さが あまりにも印象的でした。なぜか考えてみました。

おそらく、対向車が来たときに無意識に左側に避けるワケなのですが、左に避けようとすると、なぜか自動的にハンドルが右に切れるシステムが装備されている関係で、やたら恐怖感を覚えるようでした・・・。(アクティブレーンアシストを切った瞬間から快適でした。)


また、駐車場においてですが、こちらも車体幅が広くクワトロ(4WD)であるため、車庫入れに苦労しそうな印象がありましたが、ダイナミック オールホイール ステアリングの機能により、後輪も曲がるため、普通の大型セダンの感覚で車庫入れが可能です。




アウディA7 55TFSIクワトロ 走行性能 総評

アウディA7 走行性能
ワインディングロードが一番良い

4ドアクーペでありながら、乗り心地が重視されている傾向があり、また広い後部座席を持っていることから、4人での移動も快適に行うことが可能です。峠道であっても、常識的な速度で走ることに加え、車線逸脱防止装置をOFFにすれば全く問題ありません。

その一方で、不思議なくらい体に「しっくり」くる安定感は無難であるにも関わらず、なぜか超絶的な魅力を感じてしまいます。


つまり、アウディA7 55TFSIクワトロ Sライン ファーストエディションは、街中でも高速道路でも山道でもワインディングでも、サーキットを除けば、どこを走っても快適に走ることのできる1台では ないでしょうか。






アウディA7 55TFSI クワトロ 最新テクノロジー・魅力

アウディA7スポーツバック 55TFSI Sライン 走行性能



新型アウディA7 55TFSI 進化したアダプティブ ドライブアシスト

アウディA7 アダプティブドライブアシスト
アウディのアダプティブ ドライブアシストは、
・前方車両追従機能
・レーンキープ アシスト
などがあり、ほぼ自動運転が可能であることは、いつものご紹介の通りです。



しかし、今までの車に無い機能として、
アウディA7 automatic go
automatic go
つまり、渋滞などで停止をしても前方車両が動き始めれば自動的に走り始めてくれるのです。

従来は前方車両が発進した際にはアクセルを踏む必要があり、より一層便利になったと言えます。ただし、一定時間が経過すると前方不注意に対処するためか、automatic goは解除されてしまいます。

いずれにせよ、自動運転レベル3の一歩手前までの性能を持った性能は進化を感じられるものでした。



新型アウディA7 55TFSI コースティング走行(慣性走行)もスゴイ

慣性走行中
写真はアウディA4でコースティング走行を行ったもの

コースティング(慣性)走行とは、一定の速度で走行中にアクセルを離すとN(ニュートラル)で走っているのと同じ状態になります。抵抗を減らすことで燃費向上に貢献しているとの事です。

なお、通常走行中にN(ニュートラル)に入れることは危険ですが、アウディの場合は再度アクセルを踏んだり、ブレーキを掛けたりすると自動的にギアが入るようになっています。



アウディA7 コースティング(慣性)走行
アウディA7でコースティング(慣性)走行  (写真がブレておりますが・・・)


アウディA7にも同様のコースティング(慣性)走行が出来るようになっておりますが、最大の特徴はコースティング走行時にエンジンがオフ(意味は違いますがアイドリングストップ状態)になるのです。

これは、48Vマイルドハイブリッドの恩恵であるとも言え、走行中にエンジンをオフにすることが出来れば燃費の向上に繋がります。(ただし、あくまで私見ですが、極寒時にはアイドリング ストップ オフを選択した方が万が一のためには良いと思っております。)




サラウンド ビューカメラ やら

サラウンドビューカメラ
近頃の高級車では上から映すような映像は当たり前ですね。
(個人的には、距離感がつかめないため苦手ですが・・・。)

リア ビューカメラ フロント ビューカメラ
左:リアビュー カメラ(Dポジションでもボタン一つで後方を映せます。)
右:コーナービューカメラ(フロント)

上の写真より、四方八方にカメラが装備されていることが分かります。いずれも四方八方のコンピューターやセンサー・レーダーと協調されることで(被害事故を含む※)事故防止に一役買っています。そのお陰で駐車場等に入る際にピーピー鳴ってウルサイのですが・・・。
※追突されそうになると警告音が発されます。
※後方車の立場で追突しそう(異常に車間を詰めると)になるとハザードランプが点滅します。



オッサン的にはリアビューカメラとフロントビューカメラがあれば(狭い道では便利)、十分に安全は確保できると認識しております。





アウディA7 55TFSI S-Line 1st Edition 総評

アウディA7スポーツバック 55TFSI Sライン

細かい点を気にしなければですが、V6-3.0Lツインターボにマイルドハイブリッドが搭載されていることは以外はポルシェ パナメーラと共通と言っても過言でないアウディA7です。もっと言うならパナメーラよりも安い金額で「より」美しいデザインとフルオプション装備を手に入 れられます。

走行性能はベースグレードでもパナメーラの方が圧倒的に上であることから単純比較をすることは難しいですが、一定のコーナリング性能・抜群の高速性能・ポルシェなんかと比較にならない美しいデザインを考慮すれば選択の余地は十分にあります。


パナメーラとの比較はさておき、アウディA7は最新テクノロジーを満載した1台であると言え、頻繁に色々なクルマに乗っている筆者でも圧倒される装備があり、感動したことを記憶しております。(それで1,200万円近い金額が安いと聞かれれば答えはNoなのですが・・・。)


GTカーとしては素晴らしい走行性能を持っており、今の時代の1,200万円の車両としては相応しい素晴らしい性能を持っています。色々な場所を走れば、大きな横幅のことは忘れられます。





関連項目:
アウディA4 2.0TFSIクワトロアウディ A4 2.0TFSIクワトロ(B9)
アウディA6アバント 2.0TFSIクアトロアウディA6アバント 2.0TFSIクアトロ(後期)
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