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スズキ アルト ワークス(HA36S/5MT)

「いつも高級車や高額車の試乗記ばかりで誰もが乗れる大衆車も試乗しろ」という意見をいただいたので、日本独自の規格である「軽自動車」の試乗記をお伝え します。


それはさておき、

スズキ アルトは、スズキを代表する軽自動車。その中でも「ワークス」と名の付くモノは、特段に優れたスポーティな軽自動車の1台と言えるでしょう。今回の試乗車 は「いま、マニュアルに乗る」でお馴染みの8代目のアルトになります。

試乗車概要

SUZUKI ALTO Works(5MT)
スズキ アルトワークス(HA36S)

今回試乗したアルトは8代目になり、もともと2014年にデビューした車です。

スポーティなグレードとしては、アルト ターボRSがラインナップされていますが、今回のアルト ワークスは、さらに一歩踏み込んだクルマと言えるでしょう。


正式グレード

SUZUKI ALTO Works(HA36S/5MT/2WD)

排気量
660㏄
最高出力/トルク 64ps/10.2kgm
走行距離 約200km
(高速・街中・山道)
今回の平均燃費
14.7km/L
車両本体価格 約150万円ほ ど
試乗日の路面状態 ドライ

アルト ワークスは、スズキ アルトの中の一つのグレードとなっています。

MT or 5AGS(AT限定免許で運転可)および2WD or 4WDをいずれも選択することが可能です。

今回の試乗車はアルト ワークスの一番おすすめである、5MT/2WDとなっています。






アルト ワークス エクステリア

ボディはパールホワイト。撮影地は梅雨明けしたばかりの沖縄県ということもなり、パールの輝きが映えます。

何だかブチャくない?と感じるフロン トデザイン

スズキ アルトワークス(HA36S)

いつも導入は「スポーティかどうか」ですが、スポーティ以前に、ブサカッコいい(普通のアルトはブサかわいい)と言わざるを得ないデザインであると感じま す。



海外のコンパクトカーと比較をしてみてください。FIAT500だってミニ クーパーだって、第一印象カワイイと言われるデザインで、女子とデートしたい男子にピッタリの1台ですが、アルトワークスはデートの時に乗って来られても 「どうよ?」という感じです。
(軽自動車であることは抜きにしても)




後ろから見ても美しさを感じられない

スズキ アルトワークス リアデザイン

たしかにアルトって装備を簡素化した商用車も販売されていますが、それ以前の問題として美しさを感じられません。

リアだけど・・・、「のっぺらぼう」のようなリアデザインは、日本の恥を世界に知らしめるようなものです。




15インチアルミ&赤いディスクブ レーキ

15インチ アルミ
かなり扁平タイヤになっています。

また、どう見ても ただ色を塗っただけのようにしか見えませんが、ブレーキパッドも赤いものが採用されています。実際の性能の変化は分かりませんが、ドイツ車のブレーキ性能 を感じられる気がしますが、急制動には強くありません。

そして、ブリヂストンのポテンザRE050A(=スポーティタイヤ)が新車装着タイヤとして設定されており、力の入れようは凄いようです。




ヘッドライトはバイキセノン ヘッドライト

バイキセノン ヘッドライドが標準装備
バイキセノン(ハイビームも明るい)ヘッドライトが装備

ただし、それ以外にはLEDウインカーが採用されておらず、本当にドライバーに必要な装備を選択している印象が感じられます。







アルト ワークス インテリア

アルトワークスのインテリア

内装は黒基調。後述しますが、レカロのシートが採用されています。


ごく普通の装備が充実している軽自動 車

スズキ アルトワークス 運転席周辺

一般的に軽自動車に豪華な装備を期待していない方は多いと思います。(もし、豪華な装備が希望ならタント エグゼとか購入するでしょう。)

必要最低限の装備であるフルオートエアコンや本革ステアリングなどが装備されており、装備は豪華で無くても充実していると言えるでしょう。




アルトワークスの目玉はレカロ (RECARO)のシート

レカロのバケットシート
アルトワークスはレカロのシートを装備

何だか改造してあるようにも見えますが、これが標準装備のようです。座り心地も良く、BMW 320iスポーツに匹敵するホールド性のあるシートは まさに快適です。一度に80kmくらいの距離を一気に移動した際にも、特に疲労感を感じることはありませんでした。


ただし難点があり、レカロのシートは前後とリクライニングは動かすことが出来るのですが、上下が出 来ません。(リフターが装備されていない)


低いシートが好きな私が座った場合には、少し高いと感じるくらいで大きな問題になりません。ということは、高いシートが好みの方には、少し低すぎる座席か もしれません。





キーレスプッシュスタート システムも標準装備

キーレス プッシュスタート
トヨタで言うならスマートキー・日産ならインテリジェント キーも、このアルトには標準で装備されています。


一般的には、ブレーキを踏んでプッシュスタートを押してエンジンを始動すると思いますが、アルト ワークスの5MT車はクラッチを踏んでエンジンを始動するようです。(ブレーキを踏まなくても始動可能 / おそらくスズキのMT全車に該当すると思います。)




ちなみに、横滑り防止装置も装備されているようでございます。





アルトの後部座席 広さだけは快適

スズキ アルトの後部座席

足元の広さだけを見るなら、ドイツの高級車(×最高級車≒メルセデスEクラス/BMW5シリーズ等)よりも十分に広く、3人座ることのない空間は快適な広 さです。

ただし、広くて快適ではありますが、フロントシートのようにレカロの素晴らしいシートが装備されているわけでは無いので、座り心地があくまでも「普通の軽自動車」です。もし、目的地まで快適に向かいたい場合は助手席が良いで しょう。




アルミペダルも装備

アルミペダルも装備
スポーツタイプらしくペダルはアルミです。

雨の日も運転しましたが、足が滑ることも無く、安心できるアルミペダルでした。






アルト ワークス 走行性能

インターネットに掲載されている各メディアでは、絶賛されているアルトワークスの走行性能ですが、はたして所詮は軽自動車ですが、絶賛できる車であるので しょうか?



5MTの実力

5MTが装備

まず訴えておきたい点は、アルトワークスのシフトチェンジは、この上なく快感を得られます。これなら女性が・・・(以後自粛)

ただし、60km/hにもなればオーバートップ(5速)で十分に走行できるようなギア比であることから、発進から60km/hに達するまでに頻繁にシフト チェンジをする必要があるため、慣れるまでは左足が筋肉痛になりそうです。




軽自動車とは思えない加速感

メーター

なんといっても速いです。

1.0Lのヴィッツはもとより、1,000㏄ターボのアウディA1よりも体感的な加速が速く、本当に64ps/10.2kgmなのかが疑問と感じてしまう 次第です。


ちなみに、ターボが作動する際には赤でターボが作動している印が表示されます。
(何だか、大昔のエスティマのディーゼルターボを思い出した次第です・・・)




そのためアルトワークスで高速道路を 走ると・・・

アルトワークスで高速道路を走行

あまり深くは語りませんが、高速域でも左側からの追い越しが余裕で出来そうな加速感があります。140km/hでリミッターが作動するのだと思いますが、 リミッターカットをしたら、どのくらいスピードが出るのか気になるところでもあります。
※なお、私は軽自動車のターボ車は6年ぶりぐらいに乗りました・・・。


また、比較的安定性に優れており、悪い意味でも軽自動車らしさは感じられません。




アルトワークスを街中で走らせると

街中の走行

サイズは軽自動車ですので、狭い路地や混雑した駐車場でも運転がらくらく、さらにMTであることから、縦列駐車も楽に行うことが出来ます。

ただし、路面が荒れていたりすると、硬いサスペンションと扁平タイヤと相まって、車内は激しい揺れに襲われます。当然、缶コーラを飲みながらドライブをし ようものなら、車内は大変なことになるでしょう。




アルトワークス走行性能 総評とミニクーパーS(F56)と比較すると?

ミニクーパーSは3ナンバーに

アルトワークスは、「軽自動車なのに」というワードがピッタリで、今は3ナンバーサイズとなってしまったミニクーパーとは単純に比較することは出来ませ ん。


☆高速走行時の安定性☆
巡航速度の設定が欧州車と日本車とは違うので単純に比較は出来ませんが、ミニクーパーであれば多少横風が強くても煽られることはありません。

しかし、アルトワークスの場合は横風が強いと、「多少」煽られます。(ただし恐怖感はありません。横風を感じる程度です。)




☆コーナリング性能☆
ミニクーパーSを以前試乗しましたが、クーパーSの場合、コーナーではしっかり曲がってくれ、スポーツカー顔負けのコーナリング性能を持っています。(実 際はスポーツカーの方が良いのですが・・・。)

一方、アルトワークスもコーナリング性能は優れており、こちらもスポーツカー顔負けのコーナリング性能があると思います。ただし、ベースがあくまで軽自動車であるためか、若干「くにゃっ」とした印象が あります。



☆加速性能☆
あの小さなボディに2000㏄ターボエンジンを搭載したクーパーSと660㏄のアルトワークスを比較すること自体間違えています。たしかにその通りであり ますが、もしこれを、直列3気筒-1.5L(ターボ)のミ ニクーパーと比較した場合はどうでしょう?

正確に計測をしたわけではありませんが、体感的にはアルトワークスの方が速いです。




☆総評(本題)と車両本体価格☆
サーキットで走らせない限り、僅差しか感じられない両者であります。(もちろん、かなり大袈裟な表現ですし、アルトワークスは日本人好みの味付けと解釈も 出来ます。)

しかし、ここで問題になるのは車両本体価格でしょう。
 ミニクーパー S:約330万円(MT)
 アルト ワークス:約150万円(MT)

つまり、これだけ性能の良いクルマでありながら、
 ・クーパーの半額で購入できる
 ・自動車税が格段に安い
 ・燃費性能も圧倒的に高い
などなど


アルトワークスは非常にコストパフォーマンスに 優れた車両であることは間違いありません。

ここまでなると、スズキの開発者の涙ぐましい努力に感動しないわけにはいきません!






アルト ワークス 気になる点

アルトワークス 本革ステアリング(スイッチ付き)

実際に試乗してみて、いくつ気になる店がありましたので紹介します。

ちなみに、本革ステアリング(+スイッチ付き)にAUTOライトを装備されているようです。


何となくミラーの死角が大きいような

ミラー

車線変更をしようとした際にミラーで確認し、安全のために後方確認をするとミラーに写っていない車やバイクがいるということが多々あり、何となく死角が大 きいような印象を受けました。なお、筆者はメルセデスベンツやBMWなどに装備されている広角ミラーに かなり慣れております。




ラゲージスペースは狭い

ラゲージスペース
すんげぇ狭いです・・・。

おそらく、小さいボディに広め後部座席を追求した結果、このようなまったく荷物が入らないようになってしまったのでしょう。

後部座席のシートを倒せば大きめのスーツケースも入りますが、この状況だと4人で2泊で旅行に行くのは難しいかもしれません。



ベースが軽自動車であるため、ところ どころ安っぽい

ドア

アルトのドアですが、白い鉄の部分がむき出しになっており、商用車を思い出させられます。スペックに対しての車両本体価格が安いので不満は言えませんが、 スポーティタイプであれば、このあたりは上手に隠してほしいと思います。

また、扉を閉める際の心地よい音は一切感じられません。






アルト ワークス 総評

アルトワークス

軽自動車の枠内でこれだけの走行性能を凝縮させたという点で素晴らしい1台であると言えます。アイドリングストップやMTでは衝突被害軽減ブレーキ装置も 選択できない等も、コテコテのスポーツカーであると感じられます。

ただ、私個人の意見としては、欧州車と比較をすると弱点もいくつか見当たり、雑誌で絶賛するほどのクルマでは無いと思いました。


と言いつつ、日常の生活で利用するには非常に楽しい車であり、クルマ好きの方なら いつもの生活がワンランク上のものになると保証出来ます。(少々高額になりますが)

多くの日本人は、エコカー=ハイブリッドと思い込んでいますが、トヨタ アクアと比較をした場合、アルトワークスは自動車税は大幅に優遇され、アクアよりも優れた加速性能を持ちながら、実燃費も14.7km/Lと悪くありませ ん。(※)
※沖縄県本島をアクアで走行したことはありませんが、25km/Lはいくと思います。


アルトワークスのポイント・まとめ

・スポーツカー顔負けの走行性能を持つが、あくまで軽自動車の範囲内。
・悪路においては乗り心地が悪い。
・性能が良いことや、レカロのシートもあり、長距離ドライブも快適。
・実用的で4人乗車が可能。MTの他にAGSも選択可能。
・どれだけ素晴らしい車でも東京(六本木あたり)を走るとバカにされる。
  ⇒しかもBMW3シリーズあたりに乗っているヤツに
・アクアよりも良い性能と感じるが、ミニクーパーには追いつかず。
  ⇒ただし、欧州車と比較したくなる1台であることには違いない。




ということで、日常の足をとして車の購入を検討されている場合、アルトワークスのような車はオススメであると考えています。アクアを購入する前に、ぜひス ズキの店で試乗してみてください。

ちなみに、今回は沖縄 那覇空港 他に営業所を持つスカイレンタカー でレンタルすることが出来ました。その他、アルトワークスは、日本全国の各レンタ カー屋さんでキャンペーンとして取り扱いがあるようです。








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